ファンシーカラーのメインカラー
ファンシーカラーのメインカラーとは?
Red
レッドダイヤモンドとは?
レッドは、ダイヤモンドの中でも最も希少な色の一つです。純粋なレッドダイヤモンドは、色相が変化する石を除いて、世界でこれまでに採掘された数は20~30個程度と推定されています。レッドダイヤモンドのほとんどはオーストラリア産で、重さは0.5カラット未満です。最大のものは、ブラジルで発見された5.11カラットのムサイエフレッドです。
レッドダイヤモンドは非常に希少であるため、その人気を判断するのは困難です。これらの宝石は、その極めて希少性と高価格のため、ほとんどの人には手の届かないものとなっています。しかし、レッドダイヤモンドがもっと入手しやすくなれば、その美しい色彩は高い需要を保証することは間違いありません。
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なぜ赤いのか?
科学者や宝石学者は、レッドダイヤモンドがなぜ赤いのかをまだ正確には解明していません。最も有力な説は、レッドダイヤモンドが地質学的形成過程において異常に強い熱と圧力にさらされ、結晶格子が変形したというものです。赤色は、化学的な不純物ではなく、この構造的な変形によって生み出されます。
色の彩度と明度:ほとんどの天然カラーダイヤモンドとは異なり、レッドダイヤモンドのカラーグレードはファンシーカラーのみです。これは、すべてのレッドダイヤモンドが実際にはピンクダイヤモンドを可能な限り高い彩度まで引き上げたものだからと考えられます。色合いは、純粋なレッドダイヤモンド(最も価値が高い)から、紫、オレンジ、茶色などの色合いが加わったものまで様々です。→パープル、オレンジ、ブラウンなどの色合いが加わったものまで様々です。
ブルー
天然ブルー ダイヤモンドとは?
全てのファンシーカラーダイヤモンドはそれだけで希少なものですが、その中でも彩度の高いブルーダイヤモンドは地球上で最も希少な宝石のひとつです。ブルーのファンシーカラーダイヤモンドは、アフリカ、ボルネオ、ブラジルが原産地で、かつてはインドや、オーストラリアでも採掘されていました。最も有名なものは、45.52ctの[ホープ・ダイヤモンド]で、映画『タイタニック』に登場する[ハート・オブ・オーシャン・ダイヤモンド]のインスピレーションとなりました。
このようにブルーダイヤモンドは映画に登場するだけでなく、その希少性ゆえ、オークションで記録的な高値をつけたり、呪われた宝石の伝説となったり、私たちの文化的想像力の中で特別な位置を占めています。
反面、ブルーのファンシーカラー・ダイヤモンドは知名度も人気も高いものの需要に見合うだけの供給がなく、高値で取引されているため、多くの消費者には手が届きません。
今日、ブルーダイヤモンドは、レッド、グリーン、オレンジと並んで投資家やコレクターに最も人気のある宝石のひとつです。
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なぜ青なのか?
ファンシーブルーダイヤモンドの着色の要因は、希少元素のホウ素に寄るものです。微量のホウ素原子がダイヤモンドの結晶格子に含まれる炭素原子の一部と置き換わると、赤い波長を吸収するため、人間の目には青く見えるのです。
色の彩度と明度: パープルや、グリーンのダイヤモンドと同様に、ブルーダイヤモンドは、一般的に鮮やかな色を示すことはありません。ほとんどのブルーダイヤモンドは、グレイとグリーンがかっており、グレイッシュやグリーニッシュなどの修飾色相がつきます。純粋なブルーダイヤモンドは最も希少であり、最も望ましいものですがその存在こそが奇跡と言えます。
レッドダイヤモンドは、カラット重量で見ると最も高価なファンシーカラーダイヤモンドの一つです。
グリーン
天然グリーン ダイヤモンドとは?
ファンシーグリーンダイヤモンドは、世界で最も希少な宝石の一つです。現在、ファンシーグリーンダイヤモンドの主な産地は南米とアフリカです。インドはかつて、有名な41カラットのドレスデングリーンを含む美しいグリーンダイヤモンドを産出していましたが、1800年代初頭に主要なダイヤモンド鉱山が枯渇しました。
グリーンカラーダイヤモンドの供給量は非常に限られており、ピンク、ブルー、イエローなどの他のファンシーカラーダイヤモンドほど消費者に知られていません。しかし、2022年にベン・アフレックがジェニファー・ロペスに8カラットのグリーンダイヤモンドの婚約指輪を贈ったことで、消費者の関心が高まりました。
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なぜ緑なのか?
ほとんどのグリーンダイヤモンドは、何百万年にもわたる地中の放射線への曝露によってその色を得ています。
色の彩度と明度:ほとんどのファンシーグリーンダイヤモンドの色は、石の表面に集中しており、中心まで浸透していません。最も価値の高いグリーンダイヤモンドは、より長い放射線曝露の結果、色が強く均一に分散しています。石は純粋な緑色の場合もあれば、イエロー、ブルー、ブラウン、グレイがかった色合いの場合もあります。人気を誇るZimmiダイヤモンドは世界市場で高額で取引されています。その美しさ、希少性、そして魅惑的な物語により贅沢と格調の象徴とされています。
ピンク
天然ピンク ダイヤモンドとは?
ブルーダイヤモンドと同じように、ファンシーピンクダイヤモンドというだけで最も希少というものではありません。その中で強い彩度を表すものとなると非常に稀な自然の贈り物と呼べるクラスとなります。ほとんどのピンクダイヤモンドは現在閉山しているオーストラリアのアーガイル鉱山から産出しました。これまでオークションで落札されたダイヤモンドの中で最も高価なものは、2017年に7,120万ドルの値がついた59.6ctの[ピンクスターダイヤモンド]です。
ファンシーピンクダイヤモンドは投資家にも非常に人気があります。またピンクダイヤモンドにさらにロマンティックなストーリーをもたらすエピソードがベン・アフレックが2002年にジェニファー・ロペスに贈ったひとつ目の婚約指輪。(ふたりの名は、グリーンダイヤモンドの項目にも登場しますが、なんとふたつもファンシーカラーダイヤモンドの婚約指輪を贈っています!)そのサイズは6.1ct。これはピンクダイヤモンドの人気の火付け役になったとも言われており、その人気は今も続いています。しかしながら、2020年にアーガイル鉱山が閉山して以来、供給はひっ迫しており、価格は上がり続けています。
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なぜピンクなのか?
ピンクダイヤモンドの色の要因はレッドダイヤモンドと同じプロセスであることが示されています。それはダイヤモンドが地表に到達するまでに受けた極度の熱と圧力による原子レベルの格子の変形です。より過酷な環境で生成されることで、レッドダイヤモンドや、色の濃いピンクダイヤモンドの彩度が高くなります。
色の彩度と明度:ファンシーピンクダイヤモンドは、パープル、オレンジ、グレイ、ブラウンを併せ持つものが多くあります。パープルがかったピンクダイヤモンドはとても好まれやすく純粋なピンクダイヤモンドとほぼ同じ価値があるとされています。アーガイル鉱山産のピンクダイヤモンドはその格別に強い彩度と鮮やかなピンクの色合いで特に珍重されています。日本の顧客は桜の花の色に似ていることからピンクダイヤモンドを特に好みます。
オレンジ
天然オレンジ ダイヤモンドとは?
純粋なオレンジダイヤモンドは、有名な宝石学者エドウィン・ストリーターが著書『The Great Diamonds of the World』(1882年)の中で、「ファイヤーダイヤモンド」と名付けていますが、自然界では極めて稀な存在です。オレンジ色のダイヤモンドは、南アフリカとオーストラリアが原産地です。著名な最大サイズのオレンジダイヤモンドは、[オレンジ]と呼ばれる14.82ctのものです。
明るくポジティブな印象を与えるため、投資家やコレクターから人気のあるオレンジダイヤモンドですが、供給量が少ないため市場では滅多に目にすることが出来ず、純粋なオレンジカラーダイヤモンドはかなり人気を集めています。
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なぜオレンジなのか?
オレンジカラーダイヤモンドの着色要因は内包する窒素によるものです。ダイヤモンドに含まれる不純物である窒素がダイヤモンドの格子に特定の配列で現れると、特定の青と黄色の波長を吸収するため、これが人間の目にはオレンジ色と識別されます。
色の彩度と明度:ほとんどのオレンジカラーダイヤモンドは、他の色を併せ持っています。イエロー、ブラウン、レッド、ピンクが最も一般的であり、ブラウンに関してはオレンジの色相を暗く見せてしまうためあまり好まれていません。
パープル
天然パープル ダイヤモンドとは?
パープルダイヤモンドとは?純粋なパープルダイヤモンドは希少で、そのほとんどが1ct未満のサイズです。現在流通している純粋なパープルダイヤモンドは100個以下とされる程希少です。以前はオーストラリアのアーガイル鉱山産もありましたが、閉山されて以来、ほとんどの宝石品質のパープルダイヤモンドはロシアで発見されたものとされています。最も有名な[ロイヤルパープルハート]もロシア産である可能性が高いと言われています。
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パープルダイヤモンドの紫色の要因はレッドダイヤモンドと同じく結晶格子の変形によるものだと考えられています。基本的には熱と圧力に長時間さらされた後、一部の炭素原子が「滑り落ちて」所定の位置から外れたのですが、これはヴァイオレットダイヤモンドの色が科学的不純物に由来するのとは異なり、パープルとヴァイオレットダイヤモンドは似た色調でありながら別種のタイプであることを強調します。
バイオレット
天然バイオレット ダイヤモンドとは?
ヴァイオレットダイヤモンドとは?すみれ色のダイヤモンドの希少性はレッドカラーダイヤモンドに次ぐものです。1ct以上のファンシーヴァイオレットカラーダイヤモンドの希少性は天文学的に稀で、0.1ct未満のものしか存在しません。そんな中、西オーストラリアのアーガイル鉱山では、2.83ctという見事な大きさの[アーガイル・ヴァイオレット]と呼ばれるものを含めたほとんどが生産されていました。
あまりにも希少で小さなものしか存在しないので、婚約指輪のダイヤモンドをはじめとする一般的なジュエリー用としては向かず、一般的なジュエリー市場での需要は低いと言われていますが、その希少性ゆえファンシーカラーダイヤモンドのコレクターから珍重されています。
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なぜ青紫なのか?
ヴァイオレットカラーの色の要因は?ヴァイオレットカラーのダイヤモンドの色の正確な原因はいまだに解明されていません。GIAの研究者によると、少なくともアーガイル鉱山産のヴァイオレットカラーダイヤモンドに関しては、水素、ニッケル、窒素の不純物の組み合わせや、自然放射線などが一因とされています。
色の彩度と明度:すみれ色は青と紫色の中間色。紫というひとくくりの中にパープルの赤紫とヴァイオレットの青紫はこの中に含まれており混同されることがありますが、パープルカラーダイヤモンドと、ヴァイオレットカラーダイヤモンドは別物で評価も異なります。なお、大半のヴァイオレットカラーダイヤモンドは灰色や青みがかった色調です。
ホワイト
ファンシーホワイト ダイヤモンドとは?
ファンシーホワイトダイヤモンドは、乳白色やかすみと表現される白い色を持つダイヤモンドを指します。他のファンシーカラーダイヤモンドと異なり、炭素以外の元素や、原子レベルの欠陥が色の原因ではないため、とても珍しい分類に属します。一般的に透明度の高さが評価基準の重要な要素となるため、鑑定に出される石そのものが少なく、GIAが2019年にが行ったファンシーホワイトダイヤモンドの過去最大の調査においても約500石しか扱うことが出来なかったと言われています。このファンシーカラーダイヤモンドの原産国は、インドやブラジルがあります。東京に拠点を置く、R. T. Diamondsは、最も有名なファンシーホワイトダイヤモンドのふたつである[エンジェル・ティア]と[シロ]を発見し所有しています。これらのダイヤモンドは、2024年1月13日にGIA公式のインスタグラムでも紹介されました。高品質なファンシーホワイトダイヤモンドは一般的なダイヤモンドとは異なる独特の色と光沢の完璧なバランスを備えています。
ファンシーカラーダイヤモンドの世界では、透明度光沢のあるファンシーホワイトを見つけることは非常に難しく、このダイヤモンドを特別なものにしています。
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なぜ白なのか?
ホワイトカラーダイヤモンドの色の要因は、非常に凝縮された微小なインクルージョンを含むことによります。ファンシーホワイトは、インクルージョンの数によって、透明、半透明、又は不透明になります。今のところ、人工的な処理によって天然のダイヤモンドを処理することによって、ホワイトカラーダイヤモンドのように見せかけたり、合成で作り出す方法は発見されていません。
色の彩度と明度: ファンシーホワイトダイヤモンドの色は、乳白色からクリーミーホワイトの範囲です。ほとんどのタイプのカラーダイヤモンドと異なり、他の色との組み合わせを併せ持つことはありません。しかし、極一部のオパレッセント・ファンシーホワイトダイヤモンドは、オパールに似た光の拡散が起きるため、パステルカラーの光を放つきらめきを表します。
イエロー
天然イエロー ダイヤモンドとは?
世界で最も有名なイエローダイヤモンドは、南アフリカ産[ティファニー・ダイヤモンド]。イエローダイヤモンドは産出量が多く、数多くの産地で見られるため、ファンシーカラーダイヤモンドの中では最も身近な色と言えます。
ファンシーイエローダイヤモンドは、ファンシーピンクダイヤモンドと並んで最も需要がありますが、価格はピンクよりもずっとお手頃なのでずっと身近な存在です。実際に一般的な小売り価格として標準的な天然カラーダイヤモンドの約60%はイエローカラーのダイヤモンドです。
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なぜ黄色なのか?
ファンシーイエローダイヤモンドの色の要因は結晶格子中の窒素によるもので、窒素不純物光の特定の青と紫の波長を吸収するためダイヤモンドが黄色に見えるという仕組みです。これはオレンジ色のダイヤモンドの着色要因と似ています。
色の彩度と明度: 最も珍重されるファンシーイエローダイヤモンドは、純粋なインテンスイエローです。このような色を持ったダイヤモンドはカナリアのような色を示す事から[カナリー]という名称で販売され、また色の薄いイエローのダイヤモンドはアフリカの産地名からとって[ケープ]と呼ばれる事があります。イエローダイヤモンドはグリーン、ブラウン、オレンジなどを併せ持つことがあり、それぞれイエローダイヤモンドの評価と共に、グリーニッシュ、ブラウニッシュ、オレンジィとグレードされます。
カメレオン
天然カメレオン ダイヤモンドとは?
カメレオンダイヤモンドは、特定の条件下で一時的に色を変えるという、ユニークな能力を持つ天然ダイヤモンドです。この変化は、通常数分から1時間程度で、熱、光、あるいは暗闇によって引き起こされます。通常の温度条件下では、カメレオンダイヤモンドはグリーンダイヤモンド特有の鮮やかなグリーン色を呈します。熱を加えると、深いオレンジがかった琥珀色に変化し、ダイヤモンドがどのように変化するかを見せてくれます。
その科学的根拠はまだ完全には解明されていないが、一部の宝石学者や科学者は、高濃度の水素と微量の窒素とニッケルの組み合わせによるものだと推測されます。また、燐光と発光の性質が光の吸収と放出に関与し、カラーシフトに拍車をかけているという説もあります。
紫外線の下でカメレオンダイヤモンドを見ると、不純物や欠陥のためにダイヤモンドの蛍光に独特のパターンが見られます。同じダイヤモンドでも、グリーンがかったイエローに蛍光するゾーンもあれば、ブルーに蛍光するゾーンもあります。この2つのゾーンの共存は、ダイヤモンドが地質学的な成長パターンが変化する環境で誕生したことを示唆しています。
カメレオンダイヤモンドのカラーバリエーション
ファンシーピンクのような単一の色を持つことができる他のファンシーカラーダイヤモンドとは異なり、カメレオンダイヤモンドは常に緑、灰色、黄色、または茶色を組み合わせた複数の自然な色を持っています。いくつかの一般的な組み合わせは、グレーイエローイッシュ、グレーイエローイッシュ、グレーグリーンイエロー、グリーンイエロー、ブラウンイエローイッシュ、ブラウンイエローイッシュが含まれています。
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カメレオンダイヤモンドのカラーバリエーションは?
ファンシーピンクのような単一の色を持つことができる他のファンシーカラーダイヤモンドとは異なり、カメレオンダイヤモンドは常にグリーン、グレイ、イエロー、またはブラウンを組み合わせた複数の自然な色を持っています。いくつかの一般的な組み合わせは、グレイイエローイッシュ、グレイイエローイッシュ、グレイグリーンイエロー、グリーンイエロー、ブラウンイエローイッシュ、ブラウンイエローイッシュが含まれています。
他のファンシーカラーと同様に、サイズが重要です。大きなカメレオンダイヤモンドは、単にまばゆいばかりの装飾品ではなく、貴重なコレクターズアイテムになり、手に入れることは非常に困難です。その永続的な美しさから投資の可能性を多く秘めているダイヤモンドと言えるでしょう。
グレイ
天然グレイ ダイヤモンドとは?
ファンシーグレイダイヤモンドは希少性を見極めることがとても難しいカラーです。理由は希少とはいえ、とても需要の多いピンクやブルーダイヤモンドと異なり、あまりにも流通量が少ないためです。
しかし、ファンシーホワイトダイヤモンドと同じように、良好な光沢と、透明度を持つトップレベルのファンシーグレイダイヤモンドを見つけることは困難であり、それこそが希少性を高めます。南アフリカは、オーストラリアのアーガイル鉱山同様に、グレイのファンシーカラーダイヤモンドの主要な供給源です。他には、ブラジル、インド、ロシアでも発見されることがあります。
中間色であるグレイカラーのダイヤモンドはそれ単体で表せるような色のものに出会うことは滅多になく、ブルーイッシュグレイのように、他の色のファンシーカラーダイヤモンドと組み合わさったものを目にすることが多いものです。
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なぜ灰色なのか?
ダイヤモンドのグレイカラーの要因はGIAの研究論文によっていくつかのメカニズムが記されています。ひとつは水素やホウ素などの不純物によるもの。もうひとつは生成プロセスにおいて放射線を帯びること。さらにもうひとつは、グラファイトのマイクロインクルージョンによるものです。
色の彩度と明度: ファンシーグレイダイヤモンドは明るさと彩度によって、霧のようなオフホワイトグレイから、深いチャコールグレイに見えるものがあります。またブルーダイヤモンドやヴァイオレットカラーダイヤモンドにはグレイッシュと呼ばれるグレイがかったものが一般的に存在します。他にもグリーン、イエロー、ピンク、ブラウンなどもグレイを併せ持った色が存在します。
ブラック
天然ブラック ダイヤモンドとは?
ファンシーホワイトダイヤモンドと同じく、ブラックダイヤモンドも鑑定に出されたものは比較的少なく、その希少性の判断は難しいものです。最も有名なブラックダイヤモンドは、呪われていると噂される67.5ctの[ブラック・オルロフ]です。ブラックからダイヤモンドの産地としては、ブラジル、シベリア、ジンバブエなどが知られています。
歴史的にブラックダイヤモンドは低く評価されてきました。しかし、20世紀以降、この印象的なモノクロの外観は、人とは異なる個性を大切にする一部の人々によってニッチな支持を受けるようになりました。それ以降、他のファンシーカラーダイヤモンドほどではありませんが、ブラックダイヤモンドは、かつてないほど身近な存在になりました。これらは高級ジュエリーというよりもアクセサリーに数多く使われています。
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なぜ黒なのか?
ブラックダイヤモンドの色の要因は、石全体に分散している膨大な量の微細なインクルージョンによるものです。具体的には、グラファイトやヘマタイトのようなほぼ黒色のくらい色の鉱物がそれです。これらを高密度に含むためブラックダイヤモンドのほとんどは、ほぼ不透明ですが、中には僅かに半透明のものも存在します。
色の彩度と明度
GIAによると、ブラックダイヤモンドはレッドダイヤモンドと同じようにただひとつの評価グレードを与えられ、他の等級は存在しません。とは言え、ブラックダイヤモンドが自然界の放射線にさらされた場合は、照明条件によってはグリーンやブラックの痕跡も認められることもあります
ブラウン
天然ブラウン ダイヤモンドとは?
ブラウンは、カラーダイヤモンドの中でも最も数多く存在する色です。ピンクダイヤモンドが採れることで有名なオーストラリアのアーガイル鉱山は、ブラウンダイヤモンドの最大の産出地であり、その総生産量の80%はブラウンダイヤモンドが占めていました。南アフリカで発見された545.65ctの[ゴールデン・ジュビリー]は全てのファセットカットされたダイヤモンドの中で世界最大を誇ります。
ブラウンカラーのダイヤモンドは、かつて工業用として流通していたように、ジュエリーには相応しくない色と捉えられていましたが、1980年代にマーケッターが特別な名称を与えた事によって風向きが変わりました。ブラウンに対して「シャンパン」「チョコレート」「コニャック」などのロマンティックでポジティブな印象を与える名称を用いた戦略は成功し、今日、リアーナや、スカーレット・ヨハンソンのようなセレブリティがブラウンダイヤモンドのジュエリーを身に着けた事によって認知度が高まり、ダイヤモンド市場でもささやかながら一部のシェアを占めるようになっています。
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なぜ茶色なのか?
ブラウンダイヤモンドの色の要因は、レッドダイヤモンドや、ピンクダイヤモンドと同様に、ダイヤモンドを形作る原子の格子の変形によるものと考えられています。信じられないほどの熱と圧力によって、ダイヤモンドの炭素原子の一部が格子結晶の適切な位置から外れることがあり、それが褐色に見える理由です。
色の彩度と明度
上述の通り、淡いブラウンカラーのダイヤモンドは、「シャンパン」「チョコレート」「コーヒー」、オレンジがかったものは「コニャック」と呼ばれることがありますが、これは公式な名称ではなくあくまで色のイメージからつけられた商業的な表現です。他の色のダイヤモンドとの組み合わせは、赤、ピンク、紫、オレンジ、黄色と多岐に渡り、→レッド、ピンク、パープル、オレンジ、イエローと多岐に渡り、それぞれの色にブラウニッシュと追加された名称で評価されます。それぞれのカラーの希少性に準じて価値が決まるため、流通量の多い純粋なブラウンよりも魅力的で価値が高いとされることが一般的です。











